アメリカ ワシントン市に日本から桜の苗木を贈った返礼として届いたハナミズキ。
歌手の一青窈さんの歌でも有名です。
アメリカで最も愛される花のひとつといわれているハナミズキの特徴と育て方や花言葉をご紹介します。
目次
ハナミズキ(花水木)の特徴
ハナミズキは4月下旬から5月上旬に、白色や薄いピンク色の花をつけます。
但し、花弁のように見えるのは総苞(花のつけ根の葉)で、中心の塊が本当の花です。4弁の直径5mm程度の小さな花が密集して咲きます。
葉は楕円形で秋になると紅葉し赤い実もなります。果実は渋くて食べられませんが、小さな実が複数集まる姿はかわいくて観賞価値があります。
花弁のように見える総苞(花のつけ根の葉)や赤い実が可愛く、樹形も整う木のため、1年を通じて魅力にあふれ、花木のなかでも特に人気があり、街路樹や公園木として、さらには個人宅のシンボルツリーとしても広く利用されています。
科名 | ミズキ科 |
---|---|
種類 | 落葉高木 |
別名 | アメリカヤマボウシ、ドッグウッド |
原産地 | 北アメリカ東部~メキシコ北東部 |
高さ | 4~10m |
花期 | 4~5月 |
増やし方 | つぎ木、タネ撒き |
ハナミズキ(花水木)の育て方
ハナミズキはよく陽が当たり通気性、水はけがよい乾燥気味の場所を好み、西日もなるべく当たらないような場所が適しています。
水やりと肥料
鉢植えの場合は、夏の水やりを朝のうちに行いますが、庭植えの場合は、ほとんど心配いりません。肥料は鉢植え・庭植えも花後に化成肥料をお礼肥として施します。
病気と害虫
水はけや風通しが悪くなると、加湿になり根に紋羽病が発生し、新葉が開いたあとは、梅雨どきにうどんこ病が発生しやすくなります。うどんこ病を見つけたら1週間おきに2回ほど殺虫剤を散布します。
害虫(コウモリガ、アメリカシロヒトリ)は発見しだい捕殺します。
植えつけ、植え替え
鉢植えは、12月から3月までの間に、2~3年に1回は植え替えします。
庭への植えつけも12月から3月が適期です。事前に腐葉土などの有機物をよく混ぜてから植えつけます。
【楽天市場】でハナミズキを見てみる
ハナミズキの花名の由来
ハナミズキの原産地は北アメリカで、英名は「Dogwood」と呼ばれ、直訳すると「犬の木」という意味になります。
かわいいハナミズキに似つかない名前ですが、昔ハナミズキの樹皮の煮汁を煎じた液を犬の皮膚病治療のために用いていたことに由来します。
和名のハナミズキは、「花水木」と書きます。
「水木」という名前は、春先にミズキの木の枝を切ると水が滴り落ちるほどに水をよく含む木だから、「ミズキ」と名付けられ、
そのミズキ科の樹木の中でも特に花が美しく目立つことから、花のきれいなミズキという意味でハナミズキと呼ばれるようになりました。素敵な名前ですね。
また、アメリカヤマボウシの名は、アメリカ原産で日本の近縁種のヤマボウシに似ていることに由来します。
ハナミズキにまつわる神話や伝説
イエス・キリストが掛かった十字架にはハナミズキの木が使われて、そのため以前は大きかったこの木は小さくなり、花は4弁で十字架に似ていて、花弁にくぎを刺された傷跡があるという伝説があります。
ハナミズキ(花水木)の花言葉
日本でのハナミズキの花言葉は「返礼」「永続性」「私の思いを受け取ってください」など。
「返礼」は、当時の東京市長尾崎行雄氏が、日米友好を願ってソメイヨシノ約3000本をワシントン市へ寄贈し、その返礼としてアメリカから白いハナミズキが贈られたことに由来します。
その2年後には、赤いハナミズキも贈られ、これらのエピソードから「返礼」という花言葉や、「公平にする」が生まれたと思われます。ソメイヨシノとハナミズキが日米友好の平和のシンボルだったのですね。
「永続性」という花言葉ですが、これはハナミズキがゆっくり育つためつけられ、逆境に耐えて花を咲かせるというイメージ、逆境に耐える愛という意味も持っているようです。
英語での花言葉に「durability(永続性、耐久性)」がありますが、その昔、キリストが磔にされた十字架がハナミズキで作られたという残酷な伝説にちなみます。キリストの愛や忍耐が由来して「永続性」や「耐久性」が花言葉となったのでしょう。
写真:雄太さん(写真AC)
ハナミズキ(花水木)の花言葉:「華やかな恋」「私の思いを受けてください」「返礼」「公平にする」「永続性」
ハナミズキ(花水木)の誕生花:3月18日 3月23日 4月15日 4月23日
早春の花一覧 / 春の花一覧 / 初夏の花一覧 / 夏の花一覧 / 秋の花一覧 / 冬の花一覧