プリムラ・ポリアンサ

プリムラ(桜草 Primula)の特徴と育て方や花言葉 誕生花

冬枯れの庭にいち早く桜のような可憐な花を咲かせるプリムラは、
軽やかな淡い花色や花形が、春が近いことを知らせてくれます。

家では冬の柔らかい日差しを浴びながら窓辺にプリムラが飾られてるお家をよく見ますよね。

プリムラは一番はやく春を感じさせてくれる可愛い花としても人気の花です。

プリムラの特徴

プリムラはヨーロッパで園芸化されたサクラソウ類をプリムラと呼び、500種を超える原種があります。日本では桜草(サクラソウ)や九輪草(クリンソウ)などが一般的で、寒さに強くて花の種類もバリエーションも多彩。冬の寂しい花壇や鉢花として定番の植物です。

主に次のような4種が代表的です。

オブコニカ

桜のような淡い色が特徴で寒さには弱いですが日光不足や夏の暑さに強く長く花を咲かせることができます。ひどいかぶれを引き起こす、プリミンというアルカロイドを多く含むので、取り扱いには注意が必要です。

ポリアンサ

花色が多彩で大輪の花をつけるポリアンサには、花径が伸びないものと伸びた太い花茎の先に花をつけるものがあります。寒さに強く生育がとても旺盛なため、満開になると葉っぱが見えなくなるほど。

ジュリアン

一つの花径に一つの花をつけるジュリアンは、ポリアンサを元に交配された園芸品種。花径が小さいだけで性質や管理もはほぼ同じです。寒さに強く花色は原色のものが多いので派手な品種です。

マラコイデス

見た目が一番サクラソウに近いマラコイデスは、株いっぱいに小さい花をつけ花径を何本も伸ばし小型の花を段状につけます。花はサイズも色も種類が豊富で日光を特に好むため室内では日光が十分に当たる窓辺で育てます。

ただし、夏の高温には弱いので日本では夏を超すのは難しい一年草として扱われています。

科名 サクラソウ科
種類 耐寒性多年草・春まき一年草
別名 トキワザクラ(常磐桜)、カンザクラ(寒桜)、サクラソウ(桜草)、ケショウザクラ(化粧桜)、セイヨウサクラソウ
原産地 アジア、ヨーロッパ
高さ 10~40cm
花期 10~4月中旬
増やし方 種まき、株わけ

 

 

プリムラの育て方

プリムラは寒さに強い植物ですが、オブコニカは、耐寒性が弱いので、鉢植え向きです。通年、半日陰で管理し、春から秋は屋外で管理することもできますが、冬は室内に取り込んで5℃以上を保ちます。

水やりと肥料

水やりはどの種類も用土の乾燥を嫌い、開花期に水切れを起こすと花が傷みやすくなります。鉢植えの場合は用土の表面が乾いたら、たっぷりと与え、庭植えの場合は、特に水やりの必要はありません。

肥料は元肥としてリン酸の多い小粒の緩効性化成肥料を施し、月に2~3回、液体肥料で追肥します。夏越し中は規定の濃度よりも薄めの液体肥料を施します。

病気と害虫

灰色かび病が低温多湿になると発生します。葉が込み合うと、株元が蒸れやすくなって発生しやすくなりますから、花がらをこまめに取り除いて、風通しをよくすると発生が抑えられます。発育が盛んな品種は一回り大きな鉢に植え替えるといいでしょう。

プリムラは気温が上がってくるとハダニが発生しやすくなります。葉の色が薄くなったら、ハダニが発生している可能性があります。薬剤で防除するのが確実ですが、ときどき葉裏に水をかけると、徐々に数が減って被害もなくなります。夜行性のナメクジは見つけしだい捕殺します。

植えつけ、 植え替え

秋から早春にかけてプリムラのポット苗を入手したら、元肥として有機質肥料か緩効性化成肥料を施し、水はけ、水もちがよい水はけのよい土や場所を選んで植えつけます。

赤玉土中粒5、腐葉土3、酸度調整済みピートモス2の配合土などに、リン酸分の多い緩効性化成肥料(N-P-K=6-40-6など)を適量混ぜるとよいでしょう。

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プリムラの花名の由来

属名プリムラはラテン語で「本来の」「最初の」を意味する「primusu」が語源となっており、早春に花を咲かせることも由来。

天文学者である、カール・ラインムートによって発見された小惑星プリムラ(970 Primula)は、その形がプリムラの花の形に似ていることから、名付けられました。またドイツでは、花びらの形が鍵の束に似ていることから、「鍵の花」とも呼ばれています。

和名のケショウザクラ(化粧桜)は、株全体に白い粉がつくことから。カンザクラ(寒桜)は寒さが残る春先に、真っ先に花を咲かせる特徴からつけられています。

 

プリムラにまつわる伝説や神話

花の女神フローラと男根神プリアポスとの間にできた息子のパラリソスは、美しい恋人メリセルタと幸せな毎日を送っていましたが、ある日彼女は流行り病であっけなくこの世を去ってしまいました。結婚を夢見ていたパラリソスは、悲嘆にくれやつれ果てて死んでしまいます。

哀れに思ったフローラは息子をサクラソウの花に変え、春になるといち早く目が覚めるようにしました。しかし、まるで亡くなった恋人への貞節を守るかのように日陰を求め、花が咲かないところでこそ美しい花を咲かせたのでした(ギリシャ神話)

天国の門番ペテロがうっかり鍵束を地上に落とし、その鍵束がプリムラ(サクラソウ)に変わったことから、古来よりプリムラは「天国の鍵」と呼ばれている。(ケルト伝承)
黄色いサクラソウはケルトの人々に信仰された春の女神のシンボルである
親孝行の少女にサクラソウの女神は自分の城に誘います。城門の鍵穴にサクラソウの茎を差し込むと扉が開き宝物の部屋へと案内され、部屋にある金銀財宝は何でも持ち帰ってよいといわれた(ドイツの伝承)

 

プリムラの花言葉

プリムラ全般の花言葉は、「青春の始まりと悲しみ」「青春の恋」「うぬぼれ」「可憐」「神秘な心」「運命を開く」です。

「青春の始まりと悲しみ」「青春の恋」「うぬぼれ」はまだ寒い早春に花を咲かせはじめ、真夏を前に枯れてしまうという性質からで、冬の寒さが残る春の初々しい季節を若さ眩しい時代と重ねてのことと思われます。

またプリムラは世界で約500種以上もあり、種類によって花言葉と誕生花が違います。ここでは代表的な4つの種類の花言葉をご紹介します。

プリムラ・ポリアンサ
写真:annjyuさん(写真AC)

ポリアンサの花言葉:「富の誇り」「無言の愛」

ジュリアンの花言葉:「青春の始まりと悲しみ」「若き日の躍動と輝き」

マラコイデスの花言葉:「素朴」「気取らない愛」

オブコニカの花言葉:「しとやかな人」「青春の美しさ」

プリムラ・ポリアンサの「富の誇り」は、生育が旺盛で花をたくさんつける豊かな様子が、富を得ているように見えることに由来します。

プリムラ・ジュリアンの「青春の始まりと悲しみ」「若き日の躍動と輝き」という花言葉は、まだ冬の寒さが残る3月頃に花を咲かせはじめ、真夏を前に枯れてしまうという性質からで、冬の寒さが残る春の初々しい季節を若さ眩しい時代と重ねてのことと思われます。

プリムラ・マラコイデスの「素朴」「気取らない愛」は、花色が少なく、外観はシンプルな印象に由来し、プリムラ・オブコニカの「しとやかな人」「青春の美しさ」は花びらの淵が白く、ソフトで上品な印象の花姿にちなみます。

プリムラの誕生花:1月16日 1月18日 1月25日 2月1日 2月3日 2月13日 2月19日
            紫は2月8日

ポリアンサの誕生花:1月22日 1月25日 2月19日 3月2日 3月9日 3月23日 3月28日 4月25日 5月1日

ジュリアンの誕生花:1月1日 1月30日 12月29日

マラコイデスの誕生花:1月3日 1月18日 1月21日 2月12日 3月25日 4月28日 

オブコニカの誕生花:2月11日 2月23日 3月1日 4月7日 11月3日 12月9日 12月19日 


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