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ひなげしの特徴
ひなげしは耐寒性の一年草で、全体に粗毛が生えていて、茎は直立し長い花茎の先に、薄紙をしわくちゃしたような花弁の花をつけます。毛の生えた蕾は、初めは下を向いており、咲くときに上を向き、蕾の先端が2つに割れて花が咲くという変わった咲き方をします。
初夏に花茎を出し、上の方でよく分枝し茎の先に直径5 ~10 cmの薄い和紙のような花を開き、葉は互生し、羽状に深い切れ込みがあり、裂片は線状披針形、葉縁は粗歯牙状になります。
花色も赤・白・ピンク・橙色や、花弁に黒い班が入るものがあったり、八重咲、半八重咲の品種もあり、現在タネとして売られているものには、八重咲きの品種が多いようです。
一般に栽培されてるのは北半球に広く分布する花色が豊富なアイスランドポピー。この他にもシャーレーポピーと呼ばれるヨーロッパ原産のひなげしが販売されていますが、オリエンタルポピーは多年草です。
ケシに似てますが、ケシには毛がないところと、葉に深い切れ込みがない点で相違があり、区別することができます。ケシは、果実からモルヒネの原料(阿片)がとれて違法になりますが、ヒナゲシからはとれません。
ヨーロッパではコムギ畑に生える雑草として扱われるほど繁殖力も旺盛で、日本でも日当たりがよく、乾燥した場所であれば、こぼれダネでもふえていきます。
科名 | ケシ科 |
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種類 | 一年草・宿根草 |
別名 | グビシンソウ(虞美人草)、雛芥子(ひなげし)、アイスランドポピー、アマポーラ、オリエンタルポピー、コクリコ |
原産地 | ヨーロッパ中部 |
高さ | 30~100cm |
花期 | 3~6月 |
増やし方 | タネ |
ひなげしの育て方
ひなげしのタネはペチュニアと同じ要領でまき、水はけのよい土を好み加湿を嫌うので水やりは控えめにします。
移植を嫌うのでタネは9月下旬から10月中旬頃に花壇やコンテナに直まきするか、ポット苗は根鉢を崩さないように植え付けます。
かなり細かいタネなので、砂を混ぜて散布し、発芽してきたら間引いて株間が30 cmくらいになるようにするといいです。
肥料は元肥を施せば十分ですし、病害虫も特にありません。冬は敷き藁などで防霜対策しましょう。
花がらはいつまでも残るので散ったら切り捨てます。
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ひなげしの花名の由来
ヒナゲシの「雛」は小さい、かわいいの意味で、ケシの中では 小型でかわいい花であることからつけられました。漢字の罌粟(けし)は漢名からで、実の形が罌(もたい。液体をいれる口のつぼんだ甕(かめ))に似ていて、種子が粟(あわ)に似ているからといわれています。
種子が非常に小さいことから、「芥子粒(けしつぶ)」の言葉ができたとされています。
ポピーの属名(ケシ属:Papaver)は、ラテン語の「papa(粥)」が語源となり、幼児を眠らせるため、お粥(おかゆ)に催眠作用のあるケシ属の乳汁を加えていたことに由来。
別名のグビジンソウ(虞美人草)名は、中国の伝説に由来しています。
アイスランドポピーと呼ばれる由縁は、18世紀に北極探検隊がシベリアでこの花を発見されたことから。ポピーといえば、このアイスランドポピーのことを指すことが多いのですが、アイスランド共和国とは無関係です。
ひなげしの花言葉
造花のような華奢な花姿と、薄くやわらかな花びらが人気のヒナゲシには花言葉がたくさんあります。
「慰め」は、ギリシア神話で豊穣の神デメテルがこの花を摘んで自らの心をなぐさめたことに由来し、「眠り」「感謝」の花言葉は、眠りの神ソムアヌがデメテルの苦しみを軽くするためにケシの花で彼女を眠らせたという伝説にちなむともいわれています。
また、ひなげしが咲く初夏は麦の収穫の時期にも当たることから「富と豊穣」「感謝」。黄色のヒナゲシは、まるでお金のように見える色や丸い形から、「富」「成功」という花言葉がつけられたと考えられます。
ヒナゲシは主にイギリス連邦の国々で戦没者の象徴とされています。従軍したカナダの詩人 ジョン・マクレー (John McCrea) の詩、フランダースの野に ”In Flanders Fields” にちなみ、赤いヒナゲシの花が戦没者の象徴とされ、そこから ポピーデー (Poppy Day) とも呼ばれるようになりました。現在も追悼の式典ではヒナゲシが多く用いられています。
フランダースの野にヒナゲシが風に揺れる
列また列をなす十字架の狭間に
そこは僕らが居場所。そして空には
ヒバリたちが今も勇敢に囀り飛ぶ
だが砲弾の行きかう中、その囀りはほとんど聞こえない
僕らは死者。ほんの数日前
僕らは生きて、夜明けを感じ、日没の明かりを見た
愛しそして愛されていた、そして今横たわる
フランダースの野に
敵との死闘に立ち上がれ
僕らは倒れる手で君らに松明を投げる
君らはそれを高く掲げてくれ
もし君らが死ぬ僕らの信頼を裏切るなら
僕らは眠ることは出来ない、たとえどんなにヒナゲシ咲いても
フランダースの野に
全般の花言葉:「慰め」「感謝」「いたわり」「思いやり」「恋の予感」「陽気で優しい」「七色の恋」「心の平静」 「別れの悲しみ」
白のひなげし:「忘れっぽい」 「慰め」 「眠り」
黄色のひなげし:「富み」「成功」
誕生花:2月23日 3月2日(アイスランドポピー)3月4日(アイスランドポピー)5月29日 8月3日
※ピンクは6月15日