ノコギリソウの特徴
ノコギリソウは北半球の温帯におよそ100種類が分布していると言われ、日本にも数種が自生しています。
高山植物のような小型のものから草丈1m以上の大型のものや、さらに緑葉、シルバーリーフ、葉がふさふさした毛に覆われたもの、高性種とわい性種など種類もたくさんあります。
野生種の花は白から淡桃色ですが、交配された品種などが育成され、花色も非常に華やかで白やピンク、オレンジや赤などがあり、花茎の先端にかたまって花を咲かせこんもりした花姿が可憐な花です。
園芸的にはヨーロッパからアメリカに分布する草丈1mくらいで白、紅色などの小花を散房状に咲かせるセイヨウノコギリソウ(A.millefolium)、コーカサス地方原産で草丈1mくらいの黄色の花を咲かせるキバナノコギリソウ(A.filipendulina)、草丈60cmくらいで花色が白、桃紅色のノコギリソウなどが栽培されています。
写真:勝さん(写真AC)
ノコギリソウは、寒さに強いですが暑さや蒸れにはやや弱い性質。
ハーブガーデンには欠かせない花として種類も多く、庭や花壇で多く栽培されている植物で、最も一般的なのは、日本にも帰化しているセイヨウノコギリソウという薬効の高いハーブとしても知られています。
科名 | キク科 |
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種類 | 耐寒性多年草 |
別名 | アキレア、セイヨウノコギリソウ、ヤロー |
原産地 | 北半球の温帯 |
高さ | 20~150m |
花期 | 5~7月 |
増やし方 | 株分け、挿し芽、種まき |
ノコギリソウの育て方
ノコギリソウは、種まきから育てることもできますが、発芽率が良くないので苗から育てたほうが簡単です。
苗を購入して植えつける場合は、3~4月または10月頃に植え付け、日当たりの良い、やや乾燥気味の場所に植えつけましょう。
地下茎を伸ばして広がるので、植える際は、30~40cmほどの間隔をとり、植え付けるといいです。
ノコギリソウは、暑さ寒さに強く、土質も選ばないとても丈夫な性質で、やせ地や荒れ地でも育ち、ほったらかしてもよく育ちますが、日本のような高温多湿の蒸れには弱く、混み合っている箇所は葉を刈り取るなど、水はけと風通しをよくしておくことが大切です。
水やりですが、庭植えでは、ほとんど必要ありません。鉢植えは、過湿に注意し、用土が乾いたらたっぷりと与えます。
秋に地上部分が枯れのるで 、枯れた部分は地際から切り戻しを行ってください。
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ノコギリソウの伝説
ノコギリソウの葉や花には吐血効果のある成分が含まれており、トロイ戦争で英雄アキレスが兵士の傷を治すのに使ったという伝説があります。
ノコギリソウはコモンヤロウとも呼ばれ、アズレン、αーピネン、リモネン、ボルネオールなどが含まれていて、収斂、抗菌、止血、消炎、鎮痛などにすぐれた効き目があります。
花期に花のついた地上部全草をとり、陰干しで乾燥して細断し、薬湯として利用します。
一回分二つかみを布袋につめ、湯にひたして十五~二十分 蒸らし、その液と袋を風呂に入れ、よくかき混ぜてから入浴します。
効能効果として、擦り傷、切り傷 、カミソリ負けなど皮膚や粘膜の炎症をはじめ神経痛、腰痛などに効果があるとされています。
また中空の茎には聖なる力があるとされヨーロッパでは魔除けや占いに使われたそうです。
ノコギリソウの花名の由来
和名の鋸草(ノコギリソウ)の葉には、ギザギザのこまかい切れ込みが入っており、これがのこぎりの刃のように見える形状が由来です。
属名の学名「Achillea(アキレア)」は、ギリシア神話に登場するトロイ戦争の英雄アキレウス(アキレス)が兵士の傷を治すのにノコギリソウを使ったという伝説から。
英名はセイヨウノコギリソウの種小名「millefolium(ラテン語で「千の葉」という意味)」がちぢまった「Milfoil(ミルフォイル)」となっていますが、一般には「Yarrow(ヤロウ)」と呼ばれています。
ノコギリソウの花言葉
花言葉「戦い」「勇敢」「勇気」「治療」は、ギリシア神話に登場する英雄アキレスの活躍により長く続いたトロイ戦争に勝利し、傷ついた兵士たちをアキレアを用いて治療したという花の伝説に由来します。
写真: HiCさん(写真AC)
花言葉:「戦い」「勇敢」「勇気」「治療」「悲哀を慰める」
誕生花:5月7日 7月12日 7月21日 8月2日 11月16日