ホトトギスは斑点のある花びらがエキゾチックで不思議な雰囲気を持っている日本を代表する山野草です。ホトトギスの特徴や育て方、花言葉と誕生花についてご紹介します。
目次
ホトトギスの特徴
ホトトギスは、日本の山野草のひとつ。日陰のやや湿った斜面や崖、岩場に見られ、葉のわきに、直径2~3cmで紫色の斑点のある花を1~3輪上向きに咲かせます。
上から見ると星型で、中心部にはめしべが長く伸びて目立っています。また斑点は花びらだけでなく、内側のおしべとめしべにもあり、葉にある斑点は花が咲く頃には消えるようです。
茎はふつう枝分かれせず、まっすぐか斜めに伸び、場所や地域によっては弓なりに垂れさがることもあります。
日本に自生するホトトギスの仲間は10種ほどありますが、そのうち、小型で明るい黄色の花を咲かせるキバナノホトトギス(T. flava)は、ホトトギスより水はけのよいところを好み、ほかの植物との競争に弱いため、鉢植えに向いています。
古くから栽培されているシロホトトギス(Tricyrtis hirta f. albescens)のほか、ホトトギスとタイワンホトトギス(T. formosana)との間に交配種がつくられており、これらも「ホトトギス」の名で流通しています。
野生の雰囲気を生かしたナチュラルガーデンで用いられ、風情のあるお庭づくりに重宝されています。
科名 | ユリ科 |
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種類 | 多年草 |
別名 | ユテンソウ、トキドリソウ、ケイキャクソウ、トードリリー、トリキルティス |
原産地 | 日本、東アジア |
高さ | 30~100cm |
花期 | 9月~11月 |
増やし方 | 株分け、さし芽、種 |
ホトトギスの育て方
ホトトギスは樹木の陰などの直射日光が当たらず、程よく明るい場所で湿り気のある場所が適しています。空中湿度を50~60%に保つように乾燥しやすい場所では風を防ぎ、周囲に人工芝を敷いて、打ち水をするとよいでしょう。
ホトトギスの水やりと肥料
鉢植えは、表土が乾いたタイミングで十分に与えます。庭植えにした場合は、よほど晴天が続かないかぎり不要です。
肥料は、植え替えるときに、元肥としてリン酸の多い緩効性化成肥料を、3~4号鉢で一つまみ施します。
3月から5月に親指大の固形油かすを3~4号鉢で月に1個施し、6月から10月にリン酸が多めの液体肥料を週1回、2000倍に薄めて施します。キバナノホトトギスなどの小型種は、この分量の半分あれば十分です。
庭植えの場合も鉢植えに準じますが、これより少なめでも問題ありません。
ホトトギスの病気と害虫
5月から9月に白絹病が発生します。放置すると毎年発生するようになるので注意が必要です。
害虫では、ナメクジ、カタツムリが発生し柔らかい若葉や新芽を食べます。鉢裏などを見回って捕殺しましょう。
ホトトギスの植え付けと植え替え
植え替えは2月から3月に行います。5月から10月までは生長する時期ですので、1週間に1回ぐらいの頻度で液体肥料を追加してください。鉢植えの場合は毎年または1年おきに植え替えます。
水はけさえよければ、用土にあまりこだわりません。市販の草花用培養土か、赤玉土小粒に腐葉土とパーライトをそれぞれ3割混ぜたもので植えます。庭植えの場合は3年に1回掘り上げて、株を整理し、植え直します。
参考:みんなの趣味の園芸
ホトトギスの花名の由来
ホトトギスは、白地に紫色の斑点が鳥のホトトギスにあるお腹の模様と似ていることに由来します。もともとホトトギスは現世とあの世を行き来できる霊鳥とされ、古くから特別な鳥とみなされていましたが、花のホトトギスも格の高い特別な存在とされ茶花に盛んに用いられます。
ちなみに、ホトトギスは英語ではToad lily(ヒキガエルのようなユリという意味)と呼ばれています。こちらもホトトギスの花姿からなぞらえたのでしょう。
ホトトギスの誕生花と花言葉
ホトトギスは、夏の終わりから秋の終わりにかけての長い間咲き続ける花です。その咲き続けるひたむきさにちなんで、全ての花言葉がつけられたと考えられています。
そんなホトトギスですが、海外での花言葉には「デマ」という花言葉もあるようです。これは先に紹介した英語のToad lily(ヒキガエルのようなユリ)からきているとされます。
写真:写真AC
花言葉:「永遠にあなたのもの」「秘めた意志」「秘めた恋」「秘めた思い」「恥ずかしがりや」「永遠の若さ」
誕生花:9月11日、10月9日
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