目次
キョウチクトウの特徴
キョウチクトウはインド原産の常緑樹で中国を経て江戸時代中期に渡来。
艶のある長楕円形の葉の枝先に5枚の花弁をした、美しいピンクの花を6月頃から9月頃まで咲かせ続けます。
真夏の強い太陽の下でも生き生きと咲くキョウチクトウはピンクの色が有名ですが、園芸品種には純白の一重や八重の花、濃紅色の重弁の花、ピンクの濃淡やクリーム色、サーモンピンク、斑入り葉など豊富で、南国の花“プルメリア”は、この夾竹桃の仲間といわれています。
乾燥や大気汚染に強く防音効果も高いことから、道路沿いの生け垣など緑化樹として広く利用されています。
科名 | キョウチクトウ科 |
---|---|
種類 | 常緑低木~小高木 |
別名 | ハンネンコウ(半年紅)、ミフクラギ(目膨木) |
原産地 | インド |
高さ | 3~5m |
花期 | 6~9月 |
増やし方 | 挿し木、とり木、株分け |
キョウチクトウの育て方
太陽の下で咲く花らしく、日当たりと水はけの良い場所に植え付けます。適期は4月から6月、9月頃で、土の温度が下がらない時期が植え付けに適しています。
そして、水やりは、庭植え1年未満の株や鉢植え株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。
キョウチクトウは樹勢が強く、根元から多くの枝を伸ばし大きな株になりますから、必要に応じて、伸びた枝や太くなった枝の間引きや切り戻しを行います。
早めに2~3本の枝を残し整理したり、残した枝を幹に育てスッキリした姿に仕立てるといいでしょう。
キョウチクトウの花名の由来
学名 nerium oleander 属名のネリウムはギリシャ語の「湿気のある」という意。
種小名オレアンデルは、シャクナゲと月桂樹を縮約した語にちなみます。
和名の夾竹桃は葉が竹のようにせまく、桃に似たピンクの花をつけることからつけられました。
キョウチクトウにまつわる神話と伝説
・ナポレオン軍に対抗するスペイン独立戦争(1808~1814)のさなか、兵士がこの枝の樹皮を剥ぎ、肉を刺す串にして食べたところ、多くの兵士が中毒死したと伝えられる。
・聖書に登場するバラのひとつにセイヨウキョウチクトウがある。
・天使が聖ヨセフにマリアの夫になるよう告げた時、彼が手に持っていた木にいっせいに花が咲いたため、キョウチクトウは聖ヨセフの花と呼ばれるようになった。
・貧しい家の娘が熱病で倒れ瀕死の状態となり、その母親は聖ヨセフに最後の望みを託し、祈りを捧げていた。
すると、バラ色の光が家に差し込み、横たわる娘に手を差し伸べ、娘の胸元に鮮やかなピンクの花がいっぱい咲いてる1本の枝を置いた。光が消えた時、娘の頬はほんのりバラ色に染まり、安らかな寝息を立てていた。子を思う母親の願いが聖ヨセフによって叶えられたと言い伝えられている。
・仏典では『歌羅毘羅樹』(からびらじゅ)として登場するインド原産の魔除けの木とされてる。罪人にキョウチクトウで作った花輪をかぶせたり、火葬場に送る死者の顔をこの花で覆うという。
・原爆投下の広島で、キョウチクトウがいち早く花を咲かせ人々の希望と生きる勇気となり、1973年 広島市の花に指定される。
・中国ではキョウチクトウは邪気を祓う木とされ、西欧では葬式に飾る弔いの花とされている。
・キョウチクトウは強い経口毒性があり、誤って食べたりしないよう注意が必要である。
キョウチクトウの花言葉
「美しさ」は夏の盛りにピンク、白、赤などの花を咲かせ、目にも心にも安らぎをくれる花姿から。
「永遠の命」は常緑の植物に共通するシンボルで、一年中葉が茂り葉の色が変わらないという「生命力」に由来します。
「邪気を祓う」「危険」「用心」は、キョウチクトウの実が毒をもっていることから、魔除けの木とされ、枝や葉を切ると出る白い液が心臓に有害な強い毒を含むことからきています。
キョウチクトウの花言葉:「美しさ」「永遠の命」「邪気を祓う」 「危険」「弔い」「用心」
キョウチクトウの誕生花:8月3日 8月7日 8月9日 8月12日 8月14日 8月20日