4月から5月にかけて、色とりどりの美しい花を咲かせる春咲きのエビネ。200種類弱の原種がありますがそのうち日本には約20種が自生しています。エビネの特徴と育て方や花言葉をご紹介します。
目次
エビネの特徴
エビネの仲間は日本や中国をはじめインド、オーストラリアなどを中心に、200種類弱の原種があり、日本には約20種が自生しています。
鉢植え、庭植え、コンテナガーデンにと、いろいろな楽しみ方ができる人気のランで、エビネの仲間には春咲き種と夏咲き種があり、春咲きエビネの代表がエビネ(Calanthe discolor)で、ジエビネとも呼ばれています。
ジエビネの多くは、ジエビネ・キエビネ・サルメンエビネ・ニオイエビネ・キリシマエビネの5種の原種とそれらの雑種で、春咲きエビネの系統です。
ピンと伸びた葉の間から花茎がまっすぐに立ち上がり、花径1~2㎝の花が10~30輪ほど穂状に咲きます。。
かつては各地の低山にも普通に見られた常緑のラン科の植物で、落葉広葉樹林の落ち葉が厚く積もった場所に生え、群生していたそうです。
その後人工交配が進み山野草や野生ランとしてのエビネではなく、コチョウラン、シンビジウム等の洋ランを越えるほどきれいなランになり、世界的にはカランセという名で知られています。
科名 | ラン科 |
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種類 | 多年草 |
別名 | ジエビネ、ヤブエビネ、カランセ |
原産地 | 日本、中国、オーストラリア |
高さ | 15~80㎝ |
花期 | 4月~5月 |
増やし方 | 株分け、種まき、バックバルブ吹き |
エビネの育て方
エビネはもともと、広域にわたる日本の野山に自生していたので、猛暑や根が凍るような極寒の地域でなければ戸外で栽培できます。ただし、寒さの厳しい地域では、交配種でもキリシマエビネやニオイエビネの系統のものは適しません。
花色や草丈が違う品種を寄せて植えると、複雑で美しいグラデーションが楽しめます。
鉢植えは、強い風が当たらない日陰で育てます。特に冬の乾燥した北風は厳禁です。
水やりと肥料
鉢植えは、春夏はもちろん冬も意外に乾きやすいので表土が乾いたら十分に与えます。
庭植えの場合は、生育期間中に1週間以上雨が降らず、暑く乾燥した状態であれば十分に与えます。
芽が出て葉が成長しきるまでの間(はかま取りをするまで)は、上から水をかけてはいけません。芽に水がたまって軟腐病になるおそれがあります。
肥料ですが、春から初夏の成長期は、チッ素主体の肥料を施します。月1回、親指大の油かすを5号鉢なら5つ、月ごとに位置を変えて鉢縁に埋め込みます。同時に、観葉植物用の液体肥料を3000~4000倍に薄めて週1回施します。
夏場の充実期はリン酸、カリウム主体の緩効性化成肥料を置き肥します。規定量よりやや少なめにしておくと失敗がありません。同時に、リン酸とカリウムのみの液体肥料を4000倍に薄めて週1回施します。
病気と害虫
エビネ栽培で最も恐ろしいウイルス病は治療不能であるため、発病した株と用土は処分し、その周辺の株も隔離します。予防するには、ウイルスを媒介するアブラムシなどを防除していきます。
作業でハサミを使うときは、1株ごとに刃を火であぶってウイルスの伝染を防いでください。軟腐病は、新芽が腐って抜けたり、倒れて枯れたりする病気で、「すっぽ抜け」とも呼ばれます。腐った部分は悪臭がします。
害虫はアブラムシ、ハダニ、カイガラムシ、ケムシ類、ナメクジに注意が必要です。
アブラムシは主に春に、ハダニやカイガラムシは夏に多く発生します。ナメクジは新芽や蕾、花を食害します。葉を食害するケムシが5月から7月に発生することもあります。
植えつけ、植え替え
植え替えの適期は、開花前の3月、開花直後、または9月です。開花直後の場合は葉を傷めないように注意して扱います。
鉢植えは2~3年に1回植え替えを。鉢は5号以上の駄温鉢やプラスチック鉢など、乾きにくいものを使います。
植えつけるとき、新芽のあるほうを広く開け、偽鱗茎が成長するスペースを確保します。庭植えは4~5年に1回植え替え、込み合った株を分けて整理し、植え直すといいでしょう。
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エビネの花名の由来
学名「Calanthe(カランセ)」は、ギリシア語の「calos(美)」と「anthos(花)」を語源とし、花の美しさにちなむといわれます。
和名は、球根のような偽麟茎(ぎりんけい)という球茎が数個連なり、エビの背に似ることから「海老根(えびね)」の名が付いたとされています。
エビネの花言葉 誕生花
エビネは、他のランに比べると野草のような落ち着いた花色で、控えめな印象を与えます。
この姿が、「謙虚」「謙虚な恋」という花言葉の由来だとされています。
エビネの花言葉:「謙虚」「誠実」「にぎやかな人柄」「忠実」「謙虚な恋」
エビネの誕生花:2月27日 3月28日、4月15日、4月26日、5月27日
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