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ホウセンカの特徴
ホウセンカは葉の下に隠れるように根元に、赤やピンク、紫や白など5弁花のボリュームのある花をたっぷりつける夏の花。
花びらは互いに重なり合いフリル状に波打った花は、とても愛らしく華やかです。
高性種、わい性種、一重咲き、八重咲き、ツバキ咲きなどの種類があり、花後の実はちょっとでもふれると、果皮がはじけて種子を弾き飛ばす特徴があります。
日本には室町時代に渡来し、種からの栽培も容易なため、小学校の理科に登場する植物観察の対象花としてもなじみの深い花ではないでしょうか。
むかし女性たちが花弁をつぶして爪に乗せ、今のマニュキアのように爪を赤く染めて遊んだ草花として親しまれていたそうで、女性のお洒落心は今も昔も変わらないようです。
科名 | ツリフネソウ科 |
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種類 | 半耐寒性の一年草 |
別名 | ツマクレナイ(爪紅)、ツマベニ(爪紅)、ホネヌキ(骨抜き) |
原産地 | インド~東南アジア |
高さ | 30~80cm |
花期 | 6~9月 |
増やし方 | 種まき、苗 |
ホウセンカの育て方
ホウセンカは耐暑性に優れ、育てやすい植物です。水分が多ければ土質や場所を選ばず育ちますが、肥えて日当たりの良い場所の方が大きく育ち花もたくさんつきます。
移植に弱いので種を花壇に直まきし、土が乾いたらたっぷりと水をやり、水切れに注意します。
こぼれ種でもよく発芽し、種から容易に育ちますが、やや病害虫に弱い性質で、うどん粉病とハダニが発生することがあります。
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花名の由来
和名の鳳仙花は、鳳凰が羽ばたいて見えることからついた中国名の日本語読みです。
英名のtouch me notは、熟した果実が、ちょっと触れただけで種子が勢いよく飛び出すことから。
別名の爪紅(ツマベニ)は、むかし女性が花弁をつぶして爪に乗せ、今のマニュキアのように爪を赤く染めたことに由来します。
ホウセンカの誕生伝説
ある女神が黄金のリンゴの番を命じられていました。ところが何者かにリンゴを盗まれ、女神は窃盗の罪で裁かれることになります。
身に覚えのない罪におびえていた女神でしたが、美しい女神に嫉妬したものが罪をかぶせたものだったのです。
しばらくして、リンゴはほかのところから出てきて、ようやく女神の罪は晴れたのですが、女神は怒りと屈辱で、私は何も盗っていないと胸を開いて、真っ赤なホウセンカに変身してしまいました。
果実が熟すと触れるだけではじけるのは、覚えのない罪を着せられた女神の怒りを表し、そうさせているのだと言い伝えられています。
ホウセンカの伝承
・韓国では、ホウセンカの花汁を爪に塗り、初雪が降る時まで色が残ってたら恋が実るという「恋占い」があった。
・沖縄では、「ティンサグ」と呼ばれ、花の汁を爪に塗るとマジムンという悪霊除けになると信じられた。
・ネパールの中央部では、若い娘がこの花でつくった染料でボディ・ペイントをするという宗教的な伝統がある。
・のどに刺さった魚の骨をとる時、花の種子を砕いて水に溶いて飲み込むことで骨が柔らかくなって取れるという古代から中世まで伝わる自然療法があった。
ホウセンカの花言葉
「私にふれないで」は、花後の実にふれると、果皮がはじけて種子をはじきとばすことからついたもので、「短気」「せっかち」という花言葉も同じような発想が由来。
「情熱」は、赤やピンクなど、フリル状に波打った濃い色の花が寄り集まって咲く華麗で華やかな花姿が由来と思われます。
写真:toyaさん(写真AC)
ホウセンカの花言葉:「私にさわらないで」「私を放っておいて」「短気」「情熱」「せっかち」「快活」
ホウセンカの誕生花:7月15日 7月29日 8月27日 9月8日 9月18日 10月19日
白のホウセンカ:5月28日