紫色の小さな花が無数に集まって大きな傘のような花房が、まるでアジサイを小さくしたような涼しげな印象のユウギリソウ。ユウギリソウの特徴や育て方 花言葉や誕生花についてご紹介しましょう。
目次
ユウギリソウの特徴
ユウギリソウは直径2mmくらいの筒状の細かい花がたくさん密に集まって、傘状の大きな花房になり、ソフトな雰囲気の中にもどっしりとした厚みを感じさせます。葉は楕円形で、小さなのこぎり状のギザギザを持った尖った葉をしています。
よく枝分かれし、花色は紫のほかに、ピンクや白の花もあり、小さい花から長く伸びためしべが突き出し、深い霞がかかったような柔らかい雰囲気の花姿をしています。
株数を増やしまとまって咲かせると、まるで雲の上にいるような感じで、ユウギリソウの特徴がよく発揮できます。7月から10月にかけて、切り花やアレンジメント、ブーケなどとして出回り、繊細な印象からクッションフラワーとして、花と花の間に使われることもあります。
科名 | キキョウ科 |
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種類 | 多年草(一年草、二年草扱い) |
別名 | スロートワート |
原産地 | 地中海沿岸 |
高さ | 60~100cm |
花期 | 5月~6月(切り花は冬~春も流通) |
増やし方 | タネ撒き |
ユウギリソウの育て方
ユウギリソウは、温暖で日照の多い乾燥した気候を好みます。長日で開花し、入梅前が主な観賞期で、冷涼地では夏も咲き続けます。ユウギリソウは多年草ですが、長雨や高温期の多湿に弱いので、一年草や二年草のように、春か秋にタネをまいて育てます。
水やりと肥料
タネまきから苗が大きくなるまでは、乾燥しないよう注意します。その後は多湿にならないよう、用土が乾き始めたらたっぷりと水を与えます。花に灰色かび病などが発生しやすいので、花房に水がかからないよう注意します。
本葉が開いてからは、規定倍率よりやや薄めた液体肥料を月3~4回、花が咲くまでの間こまめに施して成長を促してください。
肥料は多すぎると花の付き方がよくありません。なので植えるときに土に混ぜれば、その後は特に必要はありません。秋になり、花が咲き終わったら、茎ごと切り落とすようにしましょう。
病気と害虫
ユウギリソウは、立枯病、灰色かび病などにかかりやすく、カンパニュラ・メディウム(フウリンソウ)に準じます。タネを撒く祭は病気の発生しにくい新しい用土を使い、混みすぎないよう、風通しをよくし、多肥多湿にならないよう注意しましょう。
生育中はアブラムシやヨトウムシなどがつきやすいので、見つけ次第捕殺します。
ユウギリソウの鉢植えを夏越しさせるには、山野草向けの用土(鹿沼土小粒4、軽石小粒3、赤玉土小粒3の配合土など)を使いますが、一年草として栽培するなら、市販の草花用培養土を利用できます。
植えつけ、植え替え
ポット苗の植えつけは、3月から4月、9月から10月ごろが適期で、寒冷地では5月から6月も可能です。
庭植えの場合は、日当たりと水はけのよいところに、腐葉土などと少量の苦土石灰を混ぜて植えつけます。
暑さには弱いので、真夏は風通しの良く、温度が上がりすぎない場所を選びましょう。寒さには比較的強いですが、霜や凍結によって枯れてしまうのを防ぐため、冬はベランダや軒下に鉢を移動させましょう。
ユウギリソウの花名の由来
和名の「夕霧草」は、小花が密集した姿とくすんだ花の色から、夕霧を連想させるため、つけられたと言われています。
学名の「Trachelium」は、ギリシャ語の「trachelos(喉)」を意味する単語が由来です。これはユウギリソウが喉に効くことに由来しています。
ユウギリソウの花言葉と誕生花
ユウギリソウ(夕霧草)の花言葉は、紫色の小型の花の姿が夕霧のようにふわふわと穏やかに咲いている花姿に由来しています。本来であれば多年草の植物ですが、日本の園芸では一年草として扱われています。
写真:HiCさん(写真AC)
花言葉:「やさしい愛情」「はかない恋」「穏やかな精神」
※白:「穏やかな精神」
※紫・ピンク:「やさしい愛情」「はかない恋」
誕生花:5月30日 8月22日
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