花は必ず夜に咲き、朝にはしぼむといわれる月下美人。その神秘的で幻想的な美しい花は多くの人を魅了します。月下美人の特徴と育て方や花言葉についてまとめています。
目次
ゲッカビジン(月下美人)の特徴
月下美人は多年生の多肉植物。肉厚で大きな葉が伸び広がります。
花は初夏から秋まで開花を続けますが、連続的に咲くのではなく、2~3回ほどにまとまって開花します。
重なり合った白い花弁は夕方からゆっくりと開きはじめ、花径は15~20cmで夜が更けるにつれ絹糸のような繊細な雄蕊が顔をのぞかせ、すばらしい芳香を放ちます。
科名 | サボテン科 多肉植物 |
---|---|
種類 | 多年草 |
別名 | ゲッカビジン(月下美人)、ゲツライコウ(月来香) |
原産地 | メキシコ~中米 |
高さ | 1~2m |
花期 | 6~10月 |
増やし方 | 挿し木 |
ゲッカビジン(月下美人)の育て方
11月~4月は、日当たりのよい室内に置き、5月から6月は戸外の日なたで直射日光に当てます。少し葉が黄ばむくらいにするとよく花芽がつきます。
梅雨明けから9月中旬の日ざしが強い時期は、葉焼けを防ぐために、戸外の半日陰に移動させ直射日光を避けます。
再び9月中旬から10月は、しっかり日に当てるようにします。
寒さには弱いので、霜が降りる前に室内に取り込み、乾かし気味に管理すれば0℃近くまで耐えます。株が1m以上に育ったら、6~11月の間に花が咲きます。
水やりと肥料
5月から10月は、用土の表面が乾いたらたっぷり水を与え、11月から4月は、用土の表面が乾いて数日待ってから、少量の水を与えるようにし、乾かし気味に管理します。
チッ素分の多い肥料を施すと花芽がつかず、茎葉ばかりが茂ってしまうので、リン酸分やカリ分に富んだ肥料が向いています。4月から9月は緩効性肥料(N-P-K=8-12-10)を、10月には液体肥料(N-P-K=6-10-5)を施しましょう。
なお、さし木でふやした苗には、水と肥料を多めに施して、茎葉の成長を促します。
病気と害虫
カイガラムシの排せつ物が原因となって発生する「すす病」が発生しやすいので、まずカイガラムシを予防します。
茎葉に白い塊がつく害虫のカイガラムシは、周年発生します。放置すると樹液が吸われるだけでなく、カイガラムシの排せつ物から「すす病」などの病気が発生するので、歯ブラシでこすり落とすか、薬剤で防除しましょう。
植え付け、植え替え
月下美人は水を与えすぎると根腐れを起こし茎葉にしわが寄ってしなびます。鉢から抜いて古い土と腐った根を取り除き、水はけのよい新しい用土で植え替えます。
根腐れを起こしていなくても、2年に1回ほどは古い土を落として植え替えることで、生育が促進されます。株に対して少し小さめの鉢に植えつけ、適期は5月から9月です。
ゲッカビジン(月下美人)の花名の由来
夏の夜、幻想的な白い花を咲かせ、朝にはしぼむためについたといわれています。夜にもっとも美しく大輪の花からはかぐわしい芳香を放ち香り豊かになる花の習性が花の名前の由来といえますね。
同じく「月来香」も、月下美人の花からはとても強い香りが漂い花が咲いている姿を見なくても、香りで咲いているのがわかるほどだと言われています。 月下美人の花は夜に咲き、香りが漂ってくるということからこの別名で呼ばれているようです。
ゲッカビジン(月下美人)の花言葉と誕生花
艶麗な美女のようなおもむきであることから「あでやかな人」とつけられ、
「危険な快楽」は夜に一番美しく香り豊かになり肉感的な誘惑を表すことに由来。
「はかない美」「美人薄命」は夜8時頃に咲き始め、午前3時~4時頃には夜明けを待たずに花を閉じる習性から。美しい人ほど命が短いという諺に由来すると思われます。
ゲッカビジン(月下美人)の花言葉:「あでやかな人」「はかない美」「幻想美」「危険な快楽」「美人薄命」
ゲッカビジン(月下美人)の誕生花:7月19日、8月23日、10月29日
早春の花一覧 / 春の花一覧 / 初夏の花一覧 / 夏の花一覧 / 秋の花一覧 / 冬の花一覧