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梅の特徴
梅は春の訪れを知らせてくれる枝ぶりが美しい中国原産の花木です。
春早くから寒風にもめげず咲き香る強靭さが、古来 中国の文人たちに感銘を与え、松、竹とともに「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」のひとつに数えられ親しまれてきました。
花は花径2cm前後。花の鑑賞を目的とした花うめの品種も多く、5弁の一重咲きと重弁の八重咲きがあります。花色によって雰囲気が変わり、あでやかな紅梅に対し白梅は気品があり凛とした表情が心に残ります。
紅色を帯びた梅、白花の梅を単に「ウメ」と呼ぶのに対し、紅梅(コウバイ)と称することも。花うめの品種は「野梅系」「豊後系」「緋梅系」の3系統に大別され、桜とともに春の花木の代表格といえます。
一方 果実は梅干しとして利用されることから、白加賀に代表される実うめの栽培は古くから行われてきました。
正確な渡来時期はまだわかっていませんが、「古今和歌集」「源氏物語」など多くの書物に紅梅が登場し、「枕草子」では、第37段で「木の花は こくもうすきも紅梅」と花木の筆頭にあげられています。
科名 | バラ科 |
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種類 | 落葉小高木 |
別名 | ムメ、コウブンボク(好文木)、木の花(コノハナ)、春告草(ハルツゲクサ) |
原産地 | 中国 |
高さ | 5~6m |
花期 | 2~3月 |
増やし方 | 種まき、接ぎ木、さし木 |
梅の育て方
梅は鉢植え、庭植えともに水はけのよい肥沃な土で日当たりがよい場所を好みます。
鉢植え庭植えも植えつけてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えてください。庭植えで植えつけて2年以上たつ株は水やりの必要はありません。(ただし夏に雨が少ないときは土の乾燥がひどくならないうちにたっぷり与える)
庭植えは、12月から1月に有機質肥料を寒肥として株元の周辺に埋めておきます。鉢植えは、開花後に化成肥料を株元に追肥します。
剪定は花の咲き終えた直後に行います。その後に伸び出す枝の整理は秋まで待って落葉後に行います。
梅の花名の由来
学名prumus mume 属名プルヌスはラテン語「スモモ」の意味。種小名ムメは日本の古名「ウメ」の意味を指します。
英名のjapanese apricotは「日本のアンズ」
和名の「梅」は訓読みのウメで中国名meiが訛ったものといわれ平安時代にはムメと表記する書物が多く出ています。
梅にまつわる伝説や神話
・中国では清い香りの花を早々に咲かせる姿が若い初々し女性に喩えられた。
・中国 宋の時代5弁の梅の花を描く「梅花粧(ばいかそう)」という化粧法が宮中で流行った。武帝(在位420~422)の娘が昼寝をしている時、風に舞って梅の花が額に落ちたことに端を発した化粧だとか。
・寒い時期に白い花を咲かせることから「氷肌」と呼び、女性の白い透き通るような肌を表します。
・日本では庭園に梅を植えることは憧れであり、誇りでもあった。梅の歌を詠むことは流行の先端を行くことで万葉集ではハギに次いで多くの歌が詠まれています。
・日本では厄除けとして梅の枝を頭に挿す風習がある。
・菅原道真の「飛梅伝説」は有名。道真が九州の大宰府に左遷される時、庭のウメがほころび始める頃だった。「東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて 春を忘るな」と詠むと紅梅殿のウメの絵だが折れて空高く飛んで大宰府で根付いたとされている。
・原爆投下後の広島で翌年の春に再び芽吹き、人々に生きる勇気と希望を与えたとされる。禿翁寺(とくおうじ)の紅梅は広島市の被爆樹木として登録されています。
梅の花言葉
馥郁とした香りが漂う梅の花言葉は、その凛とした美しいイメージからきたものが数多くあり、そして花色によって違ってきます。
白梅の「気品」や「上品」などの花言葉は、寒い季節に凛と咲く可憐で清純な姿に由来します。
紅梅の「忠実」の花言葉は、菅原道真が福岡県・太宰府天満宮に左遷された時、庭にあった梅の木が、道真を思うあまりに一夜にして京都から太宰府まで飛んで行ったという有名な「飛び梅」伝説からきているそうです。
また白と違う花色の美しさから「あでやか」「優美」という花言葉がうまれたとおもわれます。
写真:雄太さん(写真AC)
全般の花言葉:「気品」「上品」「上品な美しさ」「高潔」「潔白」「忠実」「忠義」「済んだ心」「独立」「忍耐」「喜び」「艶やかさ」「美と長寿」
紅梅の花言葉:「忠実」「あでやか」「優美」
黄色の花言葉:「控えめの美」
誕生花:1月1日 1月3日 1月5日 1月6日 1月7日 2月1日 2月2日 2月7日 2月25日 10月24日 12月27日
白の誕生花:1月6日 1月11日 1月24日 12月27日
紅赤の誕生花:2月2日 2月3日
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