北は北海道から南は九州 中国地方に分布し春に黄色の花を咲かせる低木。山地の明るい傾斜地に自生し、株立ち状に育つ元気な樹木として親しまれています。ここではヤマブキの特徴と育て方や花名の由来、花言葉 誕生花についてまとめています。
目次
ヤマブキの特徴
ヤマブキは日本各地の山野に生えている落葉の低木です。鮮やかな黄色い花が春のそよ風にのって揺れている姿には風情があります。
花は5弁で小枝の先に1個ずつつける花は可憐で、美しい山吹色の花が一気に満開するとそれはもう見事なものです。
シロヤマブキと混同されることがありますが、ヤマブキとシロヤマブキは別属の植物で、ヤマブキは花が5弁(シロヤマブキは4弁)、葉が互生(シロヤマブキは対生)であることで、容易に区別できます。
日本原産種なので、極端に乾燥しない日なたから半日陰であれば、栽培は容易で、毎年美しい花を楽しむことができます。
科名 | バラ科 |
---|---|
種類 | 落葉低木 |
別名 | オモカゲグサ(面影草)、カガミグサ(鏡草)、キンワンキスイ(金椀喜水) |
原産地 | 日本、中国 |
高さ | 1~1.5m |
花期 | 4~5月 |
増やし方 | さし木、株分け |
ヤマブキの育て方
ヤマブキは水はけがよくて腐植質に富む、少なくとも午前中は日が当たる場所で育てます。夏は、土壌の乾燥に注意して育てましょう。1枝の寿命は3~4年!地面の際植え場所は、広めにとるといいでしょう。
水やりと肥料
庭植えの場合特に必要ありませんが、乾燥には弱いので、夏の高温期には、朝か夕方に水やりをします。鉢植えは生育中は水切れに注意してください。
肥料ですが、1~2月頃に油かす等の寒肥を施肥するか、3月頃に緩効性の化成肥料を施肥します
鉢植えの場合は年に2回程度は必要です。
病気と害虫
病気は特にありません。害虫もほとんど見られませんが、枝に泡がつくことがあります。これはシロオビアワフキの幼虫が吸汁しているためで、枯れることはありません。しかし気になる場合は取り除いてください。
植え付け、植え替え
成長が止まった10月下旬から12月上旬、または厳寒期を除く2月下旬から3月下旬に植えつけができます。ヤマブキは根が粗いので、植え替える場合はていねいに掘り上げましょう。
根鉢の大きさの倍の深さ、幅の植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土や完熟堆肥などを混合して行ったら、根鉢のまわりに十分水を注ぎ、棒などでつついて根と植え土をなじませます。
ヤマブキは放任しても樹形は自然に整います。長く伸びた枝は1~2月に地際で切り取り、4~5年生の古枝は花後に付け根から切り取り株の更新を図ります。
⇒ ヤマブキを【楽天】で見てみる
ヤマブキの花の誕生伝説
昔昔、奈良に住む男性が今の京都に住む女性に恋をして、たびたび通い愛を深めていった。しかし男性の両親に許されず別れることになった。最後の日2人は1枚の鏡を手にしてお互いの顔を映し合い「もしも再会することが合ったらこの鏡を2人で取り出しましょう」と誓い合う。そして鏡を垣根の下に埋めて別れを惜しんだ。その後その場所からはヤマブキの花が咲いたことから、別名「面影草」「鏡草」の由来となったと伝えられている(室町時代の歌學所【蔵玉和歌集】)
また、『万葉集』にも詠まれるなど、古くから観賞されてきました。
太田道灌が農家で蓑を借りようとすると、娘が蓑の代わりにヤマブキの枝を差し出しました。しかし道灌は『後拾遺和歌集』(1086年)の「七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき」(八重のヤマブキは雄しべが花弁に変化し、雌しべも退化したもので、実がならない。「実の=蓑(みの)は一つもありません」)の歌を知らなかったため娘に立腹します。後にその無知を恥じた話は有名です。この時代、すでに八重のヤマブキがあったことが、この逸話からわかります。
ヤマブキの花名の由来
ヤマブキの学名はKerria japonica。Kerriaとはスコットランドの植物学者ウィリアム・カーの名前にちなみます。
和名のヤマブキは花の色がフキに似て金色で美しいという説。枝が風に揺れやすい姿から「山振(やまふり」といわれ、それが転じたという説があります。
ヤマブキの花言葉と誕生花
花言葉「気品」「崇高」は、鮮やかな中にも、どこか品格を感じさせる色合いの花のイメージに由来し、「金運」は黄色い花が重なるように咲く姿や谷底に落ちた金貨が花になったものがヤマブキだという伝説が由来です。
「待ちかねる」の花言葉は、ヤマブキは葉が生え揃うのを待ってから花が咲く植物のため、ヤマブキの花がなかなか咲かないことから「待ちかねる」の花言葉が付いています。
写真:つきみそう(写真AC)
ヤマブキの花言葉:「気品」「崇高」「待ちかねる」「金運」
ヤマブキの誕生花:3月28日 4月30日 5月4日
早春の花一覧 / 春の花一覧 / 初夏の花一覧 / 夏の花一覧 / 秋の花一覧 / 冬の花一覧