コブシは早春の頃に日本各地の野山に真っ白いきれいな花を咲かせ春の訪れを感じさせてくれる花です。コブシの特徴と育て方や花名の由来、花言葉などをご紹介します。
目次
コブシの特徴
コブシは春、桜の花よりやや早く咲き花径10㎝ほどの白い六弁花です。芳香を漂わせ白く輝く花を枝いっぱいにつけた光景は感動的でさえあります。端正な蕾の時と完全に花開いたやや乱れた花姿と趣の違う多面的な美しさをもっています。
コブシは、サクラとともに春の訪れを告げる花木といわれています。モクレンの仲間で花姿もよく似ていますがモクレンより花が小さく開花時に花の下に小さな葉がつくので簡単に区別することができます。
またヤマザクラと同じく、コブシもタネまきや田植えの時期を知らせる花として、古くから農耕と密接な関係がありました。そのため、両種ともに田打桜、種蒔桜、田植桜と呼ばれます。
育てやすく生育おう盛で大きくなるため鉢植えではなく庭木として育てます。
科名 | モクレン科 |
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種類 | 庭木・花木 |
別名 | タウチザクラ(田打ち桜)、タネマキザクラ(種蒔桜) |
原産地 | 日本、韓国済州島 |
高さ | 8~10m |
花期 | 3~4月 |
増やし方 | 種まき |
コブシの育て方
大きく育つため、十分に広い場所が必要です。良好に生育させて花を咲かせるためには、日当たりのよい場所に植えつけ腐植質に富み、水はけのよい土壌が適しています。コブシは根が粗く、細根が少ないので、成木の移植は困難です。将来の大きさを考えて、植え場所を選びましょう。
大きく育つため、鉢植えでの栽培には向きません。
5~6月に伸びる新梢に花芽がつきますので、枝を切り詰めると花が咲かなくなります。
剪定は花後に混み過ぎた枝を間引き、伸びすぎた枝を切る程度にとどめるのがいいでしょう
コブシの水やりと肥料
水やりは植えつけ後、しばらくの間は土が乾いたら与えますが、その後は必要ありません。
肥料ですが若木の場合は、成長期の5月、充実期の9月中旬から下旬、休眠期の1月に、緩効性化成肥料や固形の油かすを施します。9月はチッ素分の少ないものを施してください。成木の場合は、5月と1月に施します。
コブシの病気と害虫
カイガラムシ、カミキリムシに注意をしてください。
カミキリムシの幼虫は幹に穴をあけて食害することがあります。
コブシの植え付けと植え替え
落葉期の1月から3月上旬に行います。元肥として腐葉土や完熟堆肥などをすき込み、根を切らないように注意しながら根鉢を1/3ほどくずして、深植えにならないように植えつけます。
参考:みんなの趣味の園芸
コブシの花名の由来
コブシの蕾が開く直前の姿が子供の握りこぶしのような形であることに由来します。果実がごつごつとした形から作られたという説もあるようです。別名の田打ち桜は、昔の農家はこの花が咲く時期を田打ち作業を開始するめやすにしたことに由来。
コブシは蕾が拳の形をしていることから、「幸せをつかむ」という喜びを象徴する縁起木としても好まれています。
コブシは全国で親しまれている樹木のため、さまざまな呼び名があります。北海道のアイヌ民族の間ではアイヌ語で「良い香りを出す木」「放屁する木」という意味である「オマウクシニ」「オプケニ」と呼ばれています。枝を折ると独特な香りがするため、そのような名前がついているそうです。
遠くから見ると桜に似ていることから「ヒキザクラ」「ヤチザクラ」「シキザクラ」などと呼ばれることもあります。
コブシの花言葉と誕生花
コブシの花言葉ですが
「友愛」「友情」は濁りのない真っ白な花を咲かせることから真の友情を連想させることから、
「愛らしさ」はコブシの花名の由来でもある、子供のコブシの愛らしさに由来します。
「歓迎」は咲く時期に由来し、桜より早く咲くことから春を歓迎するという意味があるようですね。
いずれもコブシの花言葉は素晴らしい。
お祝いやプレゼント、庭のシンボルツリーとしてもいい樹木といえるでしょう。
花言葉:「友愛」「友情」「歓迎」「愛らしさ」
誕生花:2月9日 2月23日 3月8日 3月19日 3月24日
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