炎のように燃え上がる鮮やかな色と縦にまっすぐ伸びる花姿が印象的なケイトウ。古くから親しまれ、万葉集の恋歌にも登場した馴染みのある花です。ケイトウの特徴と育て方や花名の由来、花言葉 誕生花についてまとめています。
目次
ケイトウの特徴
ケイトウは鮮やかな花の色が特徴的な日本では古くから馴染みのある花です。鶏のとさかのような色や形で、花の先端が平たく帯状や扇状に大きく広がり、よく目立つのが特徴です。
ケイトウは多くの種類があり、とさかのような形がそのまま大きく育つタイプのほか、ふさふさとした柔らかい花穂が特徴的なもの、羽毛のような花が玉状に固まって咲くもの、とさか状の花が折り重なるように固まって球状になるタイプなどが園芸品種として数多く出回っています。
またドライフラワーとしても親しまれ、切り花にしたら差ゴムで束ねて麻ひもで結び、1~2週間風通しの良い場所で干すことで簡単に出来上がります。
科名 | ヒユ科 |
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種類 | 一年草 |
別名 | ケイトウ(鶏頭)、ケイカンカ(鶏冠花)、セロシア、コックコウム |
原産地 | アジア、アフリカ熱帯 |
高さ | 30~60cm |
花期 | 7~11月 |
増やし方 | 種まき |
ケイトウの育て方
ケイトウは、初心者でも育てやすく、花が咲く時期が長いことから、ガーデニングを始めて間もない人が取り掛かるのに向いている花といえます。日当たりと水はけのよいところであれば、土質はあまり選びません。肥よくなところでは葉が大きく茂りすぎるので、やせた土地で堅く小さめに育てたほうが見栄えよく育ちます。
種をまくのに適した時期は4月~8月と長いです。相対的短日性の植物なので、遅くまくほど草丈が低く開花します。
水やりと肥料
ケイトウの生育には十分な水分が必要なので根がしっかり張るまでは極端に乾かさないようにします。特にタネまきから苗が小さいうちは、乾燥に注意しましょう。本葉3~4枚のころから蕾が出るまで、月に3回くらい液体肥料を施します。
庭植えではほとんど不要です。
病気と害虫
日当たりや水はけがよくないと、立枯病や灰色かび病が出やすくなります。
また、連作障害も出るので、数年ごとに場所を変えるのが安全です。
乾燥が続くと害虫のハダニがつきやすいので注意します。
植えつけ、植え替え
移植を嫌うので花壇や鉢に直接まくか、ポットなどにまいて育苗してから根鉢を崩さないよう注意して植えつけます。
嫌光性のタネなので、軽く覆土して、発芽まで新聞紙などをかぶせて光が当たらないようにしておきましょう。植えつける際は、根を切らないように注意してください。
ケイトウの誕生伝説
昔昔、伏牛山(河南省西部の山脈)のふもとに母親と息子が暮らしていました。ある日 息子が山へ薪を取りに行った帰り道、娘が泣いていたので気の毒に思い家に連れて帰ることにしました。
家が近づくと飼っている雄鶏がけたたましく鳴きながら娘にとびかかります。雄鶏は娘が山奥に潜む大ムカデが化けた姿で、息子の生き血を吸おうとしていることを見抜いていたのでした。
娘は恐ろしい鬼女に変わり口から毒炎を吐いて息子を襲います。雄鶏は息子を助けようと鬼女に立ち向かい見事に大ムカデを倒しましたが、雄鶏も力尽きて死んでしまいました。息子は自分を守ってくれた雄鶏に感謝し手厚く葬るのでした。
やがてその土の中から雄鶏のトサカに似た赤い花が生えてきました。その後ケイトウの咲く土地にはムカデは住めなくなったと言い伝えられています(中国の説話より)
ケイトウの花名の由来
ケイトウは鮮やかに燃えるような赤色とその形が、鶏の頭にあるトサカに似ているところから「鶏頭」が由来でその名がつけられました。なお、ケイトウは英語ではcockscomb。同じく「雄鶏のトサカ」という、和名の由来と同じ意味を持ちます。
また、学名のセロシアも、ギリシア語では「燃焼した」という意味であり、まさに炎が燃え上がるように咲くことにちなんでいます。
ケイトウの誕生花と花言葉
花言葉の「おしゃれ」「風変わり」「気取り屋」は、赤く立派な雄鶏のトサカにちなんで、この花言葉になったと言われています。「燃える恋心」は花の鮮やかな赤色が色あせない恋心に例えられたことによります。
写真:写真AC
ケイトウの花言葉:「おしゃれ」「風変わり」「気取り屋」「燃える恋心」
ケイトウの誕生花:8月24日 8月29日 9月5日
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